「施術後、自分がぐったりしてしまう」
「相手のつらさがまるで自分のことのように感じてしまう」
そんなふうに、お客様の感情に引っ張られてしまう経験はありませんか?
これは感受性が強く、共感力の高いセラピストに特に起こりやすい現象です。
今回は、感情移入とうまく付き合うための考え方や実践法をご紹介します。
感情移入=悪いことではない
まず前提として、「感情移入すること」自体が悪いわけではありません。
- 相手の気持ちを想像できる
- 寄り添う姿勢がある
- その場の空気を敏感に感じ取れる
これらはすべて、セラピストにとって大切な資質です。
ただし、自分の境界線を越えてしまうほど引き込まれてしまうと、疲労や不調の原因になってしまうのです。
なぜ感情に引っ張られるの?
感情移入しすぎる背景には、こんな要因があります。
1. 「助けなきゃ」と思いすぎる
相手の感情を「なんとかしてあげたい」と思うあまり、自分が引き受けてしまう。
2. 相手の感情=自分の感情と錯覚する
エンパス傾向のある方に多く、相手の気持ちを“自分のもの”として感じてしまう。
3. 自分の状態が整っていない
疲れていたり、余裕がなかったりすると、感情の境界線があいまいになりやすい。
感情移入とうまく付き合う5つのヒント
1. 施術の前後に「切り替えの儀式」を作る
例:
- 手を洗う
- 深呼吸する
- お茶を飲む
- お香を焚く
こうした小さな習慣が、自分に戻るためのスイッチになります。
2. 自分の境界線を意識する
「これは私の感情?それとも相手のもの?」
と自分に問いかけてみてください。
見えないバリアを意識するだけでも、感情に巻き込まれにくくなります。
3. 聴くこと=背負うことではないと知る
相手の話を聞くことと、その感情を“抱えること”は別です。
「私はこの方の感情を感じるけど、それは私のものではない」と心の中で唱えてみましょう。
4. 自分自身のケアを大切に
休息・趣味・自然・食事・笑い…。
「自分を満たすこと」は感情のフィルターを強くするためにも欠かせません。
5. 定期的に“話せる場”を持つ
同業者との雑談や、信頼できるカウンセラーとの会話は、感情を溜め込まないための大切な手段です。
言葉にすることで、客観的に自分を見つめ直せます。
まとめ:感情は「感じるけど、流す」
感情移入しやすい自分を否定せず、「感じてもいいけど、流す」というバランスが大切です。
癒しの仕事は、自分が整っていてこそ続けられるもの。
あなたの“感受性”はギフトであり、ケアすべき資源です。
無理に変えようとせず、うまく付き合っていく術を身につけていきましょう。