介護とリラクゼーション 〜誰にも言えなかったあの気持ち〜

疲れた女性が膝を抱えて座る リラクゼーション

介護をしていると、心も体も限界に近づくときがあります。
それでも「もっと大変な人がいる」「これくらいで弱音を吐いてはいけない」と、自分の気持ちにふたをしてしまう…。そんな経験はありませんか?

認知症カフェなど、介護者のための交流サロンが地域には用意されています。
情報交換ができたり、同じ立場の人と話せたりと、本当に助かる場だと思います。
でも、私は「行けない側」の人間でした。

その理由は――
「あなたの状況なんか大したことないよ」
そう言われてしまいそうで怖かったからです。

きっと、実際にはそんなことを言う人はいなかったと思います。
けれど、心が弱っているときって、ほんの一言で自分が崩れてしまうものです。
だから私は、その場所に足を踏み入れることができませんでした。

そんな私が、少しだけ心と体を戻せた時間。
それが、リラクゼーションサロンでした。

――と、今ならそう言えます。
でも、介護の真っただ中にいたあの頃は、大好きだったはずのリラクゼーションさえ思い出せなかったんです。

自分の「好き」や「癒し」さえ、日々の介護の中に埋もれてしまっていた。
そんな風に、自分をどんどん後回しにしていたように思います。

それでもある日、ふとしたきっかけでサロンに足を運んだとき、
「ああ、私ってこんな時間が好きだったんだ」と思い出せました。
それが、ほんの少しだけ、自分を取り戻すきっかけになったのです。

誰かと話さなくてもいい。
気持ちを説明しなくてもいい。
何かを頑張らなくても、ただ「そこにいるだけ」でいい。
そういう場所があるだけで、少しだけ心のON・OFFの切り替えができた気がします。

介護をしている人すべてにリラクゼーションをすすめたいわけではありません。
でも、「誰にも言えないけどしんどい」
「ただ静かに、心を休める時間がほしい」
そんな方には、ぜひ一度、体験してみてほしいです。

話すことが苦手な人にも、リラクゼーションはそっと寄り添ってくれる
それを知ってほしくて、この記事を書きました。

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